ヒレの旅々

2021年以降の旅行の備忘録です

高知県で日本の夜明けを見てきた話

こんにちは

ヒレカツです。高知県に行ってきました。金欠とアホみたいな暑さのせいもあって、旅に出るのは7月の蔵王温泉ぶり。いい加減身体が『旅情』を欲している。

 

一日目

早朝の羽田空港発のANA便に乗る。高知空港到着間際に、機内から室戸岬がくっきり見えていた。高知空港には15分程遅れて着いたが、すぐに乗り継ぎのバスが出ていた。30分程で高知駅に到着。駅前に銅像があった。幕末に活躍した"土佐の三志士"、中岡慎太郎坂本龍馬武市半平太。なかなか画になるな。

鳥心

まずは早めのランチ。鳥心という、市内で有名なチキン南蛮店に向かうため路線バスに乗る。しかし20分以上待ってもバスが来る気配がない。嫌な予感がしたが、旅行の2週前に路線が廃止になったという。幸先が悪いなぁ…。後々の行程に影響するのが目に見えていたので、行きだけはやむを得ずタクシーを使うことに。店の写真をすっかり撮り忘れていたが、40分程の待ちで入店できた。大半が家族連れなので、カウンター席ならすぐに座れる。

そしてこれが一番人気のチキン南蛮セット。いざ出されるとネットの写真で見るより3倍は大きかった。チキン南蛮にしては珍しくオーロラソースがかかっているが、これがまた合うこと。適当な定食屋で食べるそれとは訳が違い食べ応えがある。ライスは大盛にすることもできたが、普通盛りで十分だった。ご馳走さん。

kochi-torishin.jp

意外と時間があるので、帰りは高知駅まで歩いて向かうことにした。3キロもないのでいい運動ぜよ。

坂本龍馬記念館

午後からは桂浜方面に向かう。坂本龍馬記念館は終点桂浜の一駅前。坂本龍馬の生い立ちや、幕末期の偉人についての解説や展示がされていた。屋上は展望デッキとなっている。一面に広がる土佐湾、これを『雅』と呼ばずして何と呼ぶか。龍馬記念館から桂浜までは歩ける距離なので、本日2度目のウォーキング開始。一気に下っていく。

桂浜

龍馬記念館から10分程歩き桂浜到着。龍馬が最も愛した場所と言われており、海風が気持ち良い。
龍王岬という眺望。海津見(わたつみ)神社がいい味を出している。見事な一本松。わびさびだなぁ。

市街地

桂浜からは帰りのバスに乗りはりまや橋で下車。ネット上ではがっかり観光地なんて言われているはりまや橋。確かにメインストリートの横にポツンと佇んでいるが、ものは考えようである。この一帯だけ落ち着いた雰囲気があるので、これはこれでアリ。ベンチもあるのでゆったり休憩できる。帯屋町商店街。ここにたくさんの飲食店や土産屋等が入っている。時間さえあればゆっくり見て回りたかったな。

kochi.mypl.net

特急あしずり。本日初めての電車に乗る。乗客は20人もいなかったと思う。高知空港利用者には市バスの一日乗車券か、鉄道の一部区間の乗り放題きっぷを無料で貰えるキャンペーンがあった。特急料金もタダになるのでこれは嬉しいサービス。川は良い。しかし進むにつれて徐々に山間部に入っていく。電波もほとんどつながらない。四万十市に位置する中村駅に到着。特急なのに所要時間は90分、遠かった。まだ19時なのに、開いてる店は少なく辺りは真っ暗。さっそく晩御飯を食う。高知と言えばやっぱりこれ、カツオのたたき。信じられない旨さ。みょうがとポン酢がいいアクセントとなっている。じゃこカツ。酒は高知県馬路村名物の柚子サワーとぶしゅかんサワーを頼んだ。柑橘系の酸味とたたきのポン酢がとてもマッチしている。そこそこ豪遊してしまったが幸せだったのでOKです。www.sunriver-shimanto.com

一日目の宿。いわゆるビジホだが、設備が充実している。勿論大浴場とサウナもあり、完全に整うことができた。

二日目

二日目は10時から活動開始。路線バスに乗り、四国最南端に位置する足摺岬まで向かう。自分以外には地元のお爺ちゃんとお遍路さんがいた。市街地を抜けるとすぐに見えてきた四万十川沈下橋もいつか行ってみたいな…

そして気づいたら爆睡していた。何やらハンバーガーの匂いが充満していると思ったら、まさかのお遍路さんがマクドナルドの袋をガサガサしていて思わず変な声を上げてしまった。そういうのは食べていいんすかね。四万十市を抜けると土佐清水市という地域だが、ここは2人に1人が高齢者の限界集落らしい。"市"レベルでこれなのか。確かに外を歩いているのは皆じっちゃんばっちゃんだった。そして「こんな道、路線バスが通っていいのか?」というような山道をひたすら進んでいく。反対側は崖だし対向車が来たら詰むんじゃないかな…。内心ソワソワだった。

足摺岬

中村駅から二時間くらいかかった。ようやく足摺岬のバスターミナルに到着。それじゃあまずは………歩きますか。

岬までは1キロちょいしか離れていない。激坂だけど余裕じゃけえ。途中足湯があったが一旦素通り。今日の天気は曇り→雨らしいので先に岬まで行っておくことに。見えてきた。

岬の駐車場の手前には四国八十八カ所の一つ、38番目の札所である金剛福寺がある。記念にお参りしたが、やはりそれなりにお遍路さんがいた。腹が空いてきたのでまずは土産屋と併設している食事処でランチ。またまたかつおのたたきを食べる。旅先ではその地の名物を食べる、それがええ。ヤシの木が生えていていかにも南国と言った感じ。物凄い突風が吹いているが湿度は高め、蒸し暑い。ここが四国の最南端、足摺岬か…。絶景すぎて思わず呆然としていた。ちなみにこの景色は『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』というガイドブックで二つ星を獲得している。

あいにくの曇りでこの見晴らし、晴れていたらどうなっていたのやら。少し離れた位置からも岬と展望台を見渡せる。けど自分はさっきの眺望の方が好きかな。

白山洞門

景色を堪能した後は来た道を引き返しながら、回収していないスポットを回る。先ほど鳥居があった辺りに急な階段があり、そこから浜辺に通じる道がある。これが白山洞門と呼ばれる、波で侵蝕された地形。ハートに見えることから恋愛成就のパワースポットと言われているとか。

万次郎足湯

階段を下るということは、また上らなければいけないということ。ひいこら言いつつ大通りまで来ると、足湯の手前に出てきた。温かい/冷たい足湯があった。さっきの白山洞門が見下ろせる。こんな優雅な足湯は他にないで。温泉むすめというキャラクターのパネルがあった。かわいい。そして今日の宿、民宿田村さん。一泊6500円で二食付きという破格の安さ。さらに高知県一おもてなしがある宿として表彰もされている。当然民宿内にも風呂はあるが、どうせなら提携しているホテルの日帰り温泉に入ってきなということで、わざわざ送迎してもらった。The Mana Villageというそこそこお高いホテル。変に緊張していたが、温泉に浸かった途端に何もかもすっ飛んだ。最高の湯加減で、何より露天風呂の景色が圧巻だった。

じゃらんより引用

そのまんまこの景色。入浴と瞑想を同時にできる貴重なホテルぜよ。再度民宿まで送迎してもらった後は夕食。あたたかい家庭料理。実家のような優しさがある。選ばれる理由、こういうところなんだろうなぁ。ちなみに一番近いコンビニで12キロ(市丸ギン)(市丸ギン?)も離れている。飲食店も夕方で全て閉まってしまうので、もし素泊まりの場合は食料調達が必須である。

三日目

最終日は7時のバスで帰るため、6時半に早めの朝食。こんな早朝に本当にありがたい。さらに帰り道に小腹が空いたら食べてねってことで、まさかのおにぎりまで作っていただいた。改めて人の優しさを感じる日になった。お世話になりました。チェックアウト後は路線バスに乗り、2時間かけて中村駅まで戻る。相変わらず狭い山道を走っていく。

先日宿の女将さんから話を聞いたが、路線バスが走っているこの道は旧道だということだった。海岸沿いには整備された道があるが、地域住民の輸送の観点からずっとこの山道を走り続けているそうだ。途中から乗ってくる客はほぼ皆無だったが…。陽も出てきた。中村駅到着後は特急で高知駅まで戻る。ちなみに電車の待ち時間が10分程度しかなかったため、バスが遅れてたら帰れなかったんだよな…高知駅到着後、旅の〆はやはりチキン南蛮で。相変わらずオーロラソースの酸味が効く。。。また食べに来て―。

総括

旅程を立てていた当初は室戸岬の訪問も考えていた(今思えば到底不可能)ので、高知県のデカさを改めて痛感した。想像以上に横に長いんすよね。

そして今回は景色・温泉・食事と三拍子そろった最高の旅行となった。幸いなことに雨に降られなかったのも久々な気がする。民宿の方々にも本当に良くしてもらい感謝の限りです。

現時点で高知旅行編、間違いなく今年一じゃないかな。