ヒレの旅々

2021年以降の旅行の備忘録です

能登半島旅行~上振れvs下振れ~

こんにちは

ヒレカツです。ゴールデンウィーク最初の三連休で能登半島に行ってきました。去年から既に航空券と宿を予約していたので当日の天気などは完全に運。果たして吉と出るか凶と出るか…羽田空港からのフライトで能登空港に到着。所要時間はたったの50分。

 

一日目

道の駅輪島

能登観光の拠点である道の駅輪島に到着した。実は輪島は2001年まで鉄道路線が通っていた地域。隣駅がシベリアというのは、かつてのイタズラ書きを駅員が起用したそうで、遊び心があっておもしろい。雨も空港に着いた時よりもかなり強くなっていたので、道の駅の全貌は後日撮ることにした。道の駅にはゴーゴーカレーが併設されていて爆笑した。しかしここは一応石川県。金沢カレー発祥地なので何ら不思議なことではない。だが旅先でチェーン店で食事をするのはさすがに違う。能登のご当地料理を食べることにした。駅から1キロくらい歩いたところにあるやぶ新橋という海鮮料理店。フグ丼を注文した。これに醤油をまぶしていただく。程よい弾力があり食べ応えがある。これで2000円なら安い方なのでは。yabu-soba.net

昼食を終え満足気な表情で外に出るともはや嵐。傘も一瞬で折れ曲がった。これから白米千枚田まで路線バスで行く予定だが、文字通りこれからの雲行きが怪しくなってきた。

白米千枚田

さすがに笑えない。一応道の駅も併設されているが、自分以外に誰もいなかった。一瞬でも油断しようものならスマホも吹き飛ばされそうな突風。泣きながら10分後に来る輪島行きのバスに乗車することにした。

簡素な待合室があり助かったと思いきや、風が強すぎて普通に雨が降り込んでくる。本当に散々な目に遭った。フグ丼を食べてから3時間程度しか経過していないが、早すぎる夕食をゴーゴーカレーで。能登空港を利用した客は、搭乗券を提示すれば無料でチキンカツかエビフライのトッピングをサービスしてもらえる。せっかくの旅先のご飯をチェーン店で?うるさいよ。

そして特にすることも尽きたので観光案内所に行き、念のため明日の行程がうまくいくか確認することにしたのだが…驚愕の事実が発覚する。曽々木口から右上の狼煙というところまで路線バスがあったのだが、何とこの4月に廃止されたという案内を受けた。ここには路線図の右上、禄剛崎灯台という能登半島最果ての名所がある。しかしマイカー以外で来ることは恐らく想定されていないだろう。当然地域住民のバス利用者も微々たるものだと思われる。バスが廃止されたのは当然の結果か。

ちなみに後日はその灯台近くにある旅館を予約していたが、大真面目に行く手段がなくなってしまった。よって直ちにキャンセル。能登旅行、早くも終了です。

寒い。宿までは800メートルくらいしか離れていないが、完全に心が折れてタクシーを使った。一応タクシー運転手にも聞いてみたが、やはり輪島から先は人口が少なくバス利用者はほぼ皆無ということだった。ゴリゴリの訛りでよくわからなかったが、「レンタカーがお勧めだよ~」的なことを言っていた。やめてくれ運転手、その言葉は俺に効く。結局16時くらいからひたすら宿の天井を眺めふて寝をしていた。本当に何のために遥々ここまで来たのだろうか。

しかし後日の天気予報を見たところ丸一日晴れの予報、さらに宿も少し離れたエリアである和倉温泉で奇跡的に予約をとることができた。まだギリギリ舞えるか…雨風もだいぶ収まってきていたので、とりあえず新しい傘と酒を買いにコンビニまで行く。しかし向かったピンポイントのコンビニで価格更新だかのためアルコール類は日付けが変わるまで購入できないとのことだった。今日の度重なる下振れを酒で洗い流すことすらできないとは。。。ソウルジェム、もう完全に濁り切ってますよ。

二日目

昨日の嵐がまるで嘘だったかのような快晴だった。ここから巻き返していくぞ。

輪島朝市

ここ輪島の朝市は千葉県勝浦市岐阜県高山市と並ぶ日本三大朝市の一つとして知られている。営業して間もないのに多くの観光客と地元住民で賑わっていた。港町特有の活気があって尚良い。どんな店があるのかある程度事前に調べておいたので、早速お目当ての能登牛寿司と輪島のソウルフード「かかし」を購入。「かかし」はうずらの卵、ウインナー、フランクフルトを組み合わせ、その名の通り案山子のような形をしている。いつだかオタクが言っていた『川は営みがあって良い』とかいう5秒で考えたようなセリフ、ようやくわかった気がした。確かに川は良い。初めて食べた、えがら饅頭という和菓子。これまた輪島の名物であり、饅頭をもち米でまぶして作られている。ホカホカの作り立てなのがありがたい。

iijikanazawa.com

他にも輪島塗りの箸や陶磁器などを出品している店から「安くするよ~」と言われたが、こういうのは一度購入してしまうとキリがなく、断った店にも悪いので買うなら食べ歩き可能なものに限る。

しかしこのような朝市でも出店者間でのいわゆる”格差”が生じているのを感じた。たくさんの暖簾があり、祭りの屋台のような備えがある出店者に対し、新聞の上に採れたてのキャベツを5、6つだけ置き、端っこの方で細々と売っている方もいた。田舎社会の宿命とも思えて正直生々しかった。asaichi.info

ゆべしという、四国や東北地方が原産の柚子風味の和菓子。それをジェラートの中にぶち込んだアイスを食べる。若干クルミのような味もした。歩き回り火照った身体を冷やしてくれた。

白米千枚田

輪島駅に戻った後はバスで再び白米千枚田にやって来た。さすがに今度は大勢の観光客がいる。日本を代表する棚田である。一つ一つの面積が小さいため、農作業は全て手作業でされているという。カエル・海・風の音が心地良い。まさに農業国日本の原風景と言えるだろう。

…と思いきやすぐにトラクターのようなものを見つけさすがに転げ落ちそうになった。海の奥の方には謎の離島のようなものが見える。調べたところ七ツ島という無人島だった。さらにその北には舳倉島という島もある。住民のほとんどが漁師や海女の定期移住者らしいが、それでもシーズンになると人口は100人以上になるという。ようやく今回の旅行でまともな観光ができた。ちなみに田んぼを一口2万円で購入することができ、至る所に購入者の名前が刻まれていた。一口オーナー制があるということは、一口の田んぼを所有できるということです。(進次郎)小腹が空いてきたので塩むすびと再度「かかし」を購入。塩むすびはここの棚田で作られた新米を使用しているそう。明らかにコメの質が他とは違った。

千枚田を存分に堪能してからは輪島まで戻り、バスを乗り継いでのと鉄道穴水駅に向かう。ちなみにバスは能登空港経由にもかかわらず、乗客は自分しかいなかった。のと鉄道穴水駅。これに乗車し七尾・金沢方面に南下していく。ずいぶんと年季の入った列車もいたが…さすがに既に現役を引退したものだそう。

西岸駅

今回の旅行で一番楽しみにしていたこの西岸駅で途中下車する。花咲くいろはの聖地であり、個人的に大ファンであるnano.RIPEが楽曲『面影ワープ』の撮影に使用した場所でもある。待合室はいろは関連のポスターやグッズで溢れかえっていた。これだよこれ。ぼんぼり祭り、いつか必ず行きたいど……駅前はすぐに道路があり、ここだけ見ると簡素な田舎の一駅といった具合。駅名看板の錆まで表現しているのがこだわりを感じる。春先に訪問すれば桜が満開で綺麗だろうな…。ともあれ二日目の観光は最高の上振れを引くことができた。西岸駅からさらに南下し、どうにか宿を確保した和倉温泉駅に到着。ここも石川県の中では一大観光地のはずだが、夕暮れ時のせいかほとんど人がいない。駅の目の前にある素泊まり6000円のビジホ。なぜかGoogleでのレビューがすこぶる低かったが、駅の目の前にある上に和室で旅館気分を(無理やり)味わえるので申し分ないだろう。大浴場などは特になかったが、後日日帰り温泉に行く予定なので問題なし。初日のキチゲも全て発散しておいた。

三日目

和倉温泉

残念ながら最終日も下振れを引いた。またしても豪雨である。おまけに和倉温泉駅にはコインロッカーがなく、併設されている観光協会ではなぜか自分だけキャリーケースの預かりを拒否された(本当にどうして?)ため、完全に両手が塞がった状態での散策である。そもそも雨が降った時点でエアグルーヴのやる気は絶不調だったのだが。和倉温泉総湯。ここの日帰り入浴を利用することにした。入浴料だけなら460円と非常にお手頃価格。サウナは勿論、立ち湯もあった。露天風呂は大雨のためか誰も入ろうとしていなかったので、ほぼ貸し切りで浸かることができた。雨に打たれながらの温泉もまた一興だろう。温泉とサウナで整ったあとのこれが結局一番ウマい。www.wakura.co.jp

最後に能登ミルクという和倉温泉では知名度があるらしいアイスクリーム屋に立ち寄ってみた。やはりミルク味が鉄板だったが、逆張ってストロベリーを購入。土砂降りの外を眺めながら食べるアイス、乙なモノだ。

列車と接続バスの本数が少ないため早めに空港の最寄駅穴水駅まで戻ることにした。昨日は疲れすぎて全然見ていなかったが、田園風景と七尾湾を一望できる。のと鉄道の車窓風景は見応えがある。今回はすんでのところで予約できなかったが、里山里海号という観光列車も運行されている。絶景スポットでの停車や食事つきプランもあるので、次に来たときは是非とも乗ってみたい。

穴水駅

そうこうしているうちに穴水駅まで戻って来た。あとは空港行きのバスに乗車するだけだが、発車まで1時間以上待ち時間があるため駅を散策することに。ちなみに目の前に止まっているのが例の観光列車である。昨日も止まっていた味のある車両。そして何と、最後の最後で花咲くいろはとのコラボラッピング車両の御目見えである。これで今日の下振れはギリギリ巻き返せたか…?年季の入った車両の中には番宣パネルもあった。古ぼけた車内には座席やテーブルが綺麗に残っており今にも動き出しそうな雰囲気。なぜかウマ娘の番組が放送されていた。駅付近の散策も終えたので、テイオーが有馬を獲る際の映像を無限に見ていた。そして空港ではさらに2時間待ち。もはや最終日の観光は90分、トータル待ち時間は3時間半以上という有り様。辛い。

さらに追い打ちをかけるかのように、気流の乱れにより出発が遅れる旨のアナウンスがされた。結局定刻通りのフライトだったが、さすがにこれは…

総括

最後に今回の旅行の”上振れ”と”下振れ”の再確認をしていきたい。

 

【上振れ】

・贅沢にフグ丼を食す

・輪島朝市で絶品グルメの食べ歩き

・二日目晴天の白米千枚田と西岸駅

・三日目いろはラッピングの車両と偶然遭遇

 

【下振れ】

・一日目の土砂降り

・傘が破損

・路線バス廃止による旅程の大幅な変更

・半ば無理やりなゴーゴーカレーでの夕食

・一日目に酒を購入できず

・手荷物預かりの拒否

・三日目の土砂降り

 

…うーん。明らかに今回は下振れが目立つ旅行となった。和倉温泉に関しても雨でほぼ散策できなかったので、正直消化不良である。金沢から直通の特急が出ており一本で行けるので、いつかリベンジといきたい。高岡駅や氷見からもバスが出ているので比較的アクセスは容易だと思う。問題は路線バス等では今後どうやってもたどり着けない禄剛崎だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

免許を再取得したらレンタカーを借りて行ってみたいです。